改正健康増進法の施行(2020年4月1日)

禁煙することのメリット

禁煙することでどのようなメリットがあるのでしょうか?すぐに思いつくことがたくさんあるかとは思いますが、ご自分の考えの再確認として、また、禁煙にくじけそうになったときに「タバコをやめられればこんなにいいことがある!」と自己を奮い立たせるきっかけとして、以下の文章をご参考になさってください。



健康面のメリット


タバコには、ニコチン、タール、一酸化炭素だけでなく、多くの化学物質が含まれていて、それらが人体に害を与えることは多くの臨床実験や研究結果からわかっています。

覚せい剤のような強烈な麻薬物質に比べれば、タバコの害など取るに足らないと思うかもしれませんが、禁煙することで以下のような健康面のメリットがあるのは確実です。

脳卒中や心筋梗塞の危険度が1年で低下する
喫煙によって脳卒中や心筋梗塞が起きやすくなると言われていますが、1年間の禁煙で非喫煙者と同等の危険度まで低下することが、アメリカの疫学調査で判明しています。

健康診断等で脳卒中ないし心筋梗塞の危険性を指摘されている人は、タバコを控えることをおすすめします。もちろん食習慣など全体的な生活習慣の改善が必要ですが、1年の禁煙で劇的にリスクが下がるのならタバコはやめてしまうのが得策と言えます。

肺がんリスクが低下するだけでなく、肺機能が回復して息切れしにくくなる
禁煙すれば肺がんリスクは間違いなく低下します。また喫煙によって負荷がかかって弱まっていた肺機能の回復が期待できます。息切れや、息苦しさがある人は、禁煙するだけでかなり改善されます。
肺機能が復活すれば、体を動かすことが億劫(おっくう)だった人も運動しやすくなります。禁煙を機会にジョギングなどを始めれば、健康面では飛躍的な改善が期待できますね。

脳内血流が回復し、頭がスッキリする
タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させる作用がありますので、禁煙すれば脳の血流が増えます。タバコを吸うと頭が冴えると錯覚しますが、実際はニコチンの禁断症状が解消されているだけで、脳の血流は逆に減少しています。

思考するときに喫煙をする習慣がついてしまっている人はかえって能率が悪くなるかもしれませんが、科学的な観点から言えば、タバコを吸わない方が脳の働きが良くなることがわかっています。


一度、喫煙状態と禁煙状態での、仕事の能率の違いを計測してみてください。思い込みや他者の意見で判断するのではなく、自分自身で実証してみることが大切です。


がんのリスクが低下する
禁煙によってがんのリスクは低下します。しかし、脳卒中や心筋梗塞のリスク低下のように、1年やそこらでは非喫煙者と同等の状態にまではならないようです

最低でも5年以上、長ければ10年という長期間の禁煙を経て、非喫煙者と同等のがんリスクまで低下します。リスク低下に時間がかかることを考えると、早めに禁煙を始めたほうがよいのは明白です。

平均寿命が伸び、高齢化が進んでいる今日では、がんは誰でもかかる病気と言っても過言ではありません。わずかでもがんリスクは下げておきたいものですね。


他にも身体的なメリットはたくさんありそうです。

関連記事
禁煙することでED・勃起障害が治るのか?


人間関係のメリット


対人関係のトラブルが減る
非喫煙者でも喫煙に対する考え方は様々で、大して気にならない人もいれば、親の敵かのように毛嫌いする嫌煙家もいます。

現状、喫煙者は肩身の狭い思いをしていることが多く、周りの目を気にしながら喫煙を続けている人もいることでしょう。それならいっそ禁煙してしまうのもひとつの手です。

逆に上司が愛煙家で、付き合いでタバコを吸わざるを得なくて、やめるにやめられない人はどうしたらいいでしょうか。
その場合、付き合いのときだけタバコを吸うようにして、それ以外は禁煙を貫くか、タールとニコチンのない電子タバコでお付き合いをするというのがよいと思います。

喫煙者の割合は3割ほどと言われており、世の中の7割の人は非喫煙者です。目の前で吸わなくても「喫煙者」というだけで白い目で見られることもあるので、無駄なトラブルを避ける意味でも禁煙をするのはメリットがあります。

ごく稀にですが、喫煙できる場所であってもクレームをつけてくる異常な嫌煙家もいます。ルールを守っている喫煙者に非はないのですが、話が通じる相手ではないので、禁煙するにこしたことはありません。


子どもの喫煙防止に役立つ
親や身近な人が喫煙者の場合、その子どもが喫煙者になる率は高いと言われています。もし自分の子どもにはタバコを吸ってほしくないのであれば、親である自分自身が止めなければ説得力がありませんよね。

親には子どもの健全な育成に関して責任があります。喫煙するかしないかは子どもが成人して自分の意志で選択することではありますが、喫煙してほしくないならそれを自分の姿で示すのがよい親だと思います。

今後は世界的にも禁煙化の流れが加速していくことでしょう。子どもが喫煙者となって後になって苦しむことがないようにしてあげるのも親の役目ではないでしょうか。


経済的には大きなメリット


一昔前まではタバコは安い嗜好品でしたが、今では税金のかたまりと言えるほど値上がりしました。1箱400円以上は当たり前で、500円前後する銘柄もあります。いずれは1000円ぐらいになるという話もありますね。1日1箱400円だと1か月で約12000円です。年間で144000円ですね。人よりたくさん税金を払っていることは誇れることかもしれませんが、もっとよいお金の使い道があると思います。

「禁煙貯金」と称して、禁煙のモチベーションにするのもよいですね。1日禁煙できたら400~500円ずつ貯金していくのです。お金が貯まったら好きなことに使いましょう。


食事が美味しくなる


喫煙は味覚と嗅覚を鈍くさせます。禁煙することで味覚と嗅覚が鋭くなり、食事が今まで以上に美味しく感じられるようになります。
食べ過ぎて太ってしまうかも?と考えてしまいますが、喫煙よりは多少の食べ過ぎのほうが健康的かもしれません。そもそも論ですが、太る心配は禁煙が成功してから考えましょう。

食は一生続けることですから、タバコを捨てていつも美味しい食事ができることを選択するほうが賢明ですね。


口臭や体臭が抑えられる


タバコの臭いは口臭の大きな原因です。喫煙者はいつも口臭ケアに気を遣ったほうがよいです。「あの人口がくさい」と陰口を叩かれているかもしれません。

体臭の原因にもなりますし、服にも臭いがついているので喫煙者は自分が思っている以上に、周りの人に「くさい」と思われていることがあります。喫煙者でなくても体臭のケアをしっかりすることは大切ですが、禁煙すればより臭いはなくなります。


禁煙することで多くのメリットがあります。禁煙を決意した人はこれらのメリットを常に頭に入れておけば、禁煙の気持ちが揺らいでも踏みとどまることができると思います。

これらのメリットを理解していても喫煙を止められないという人もいらっしゃるでしょう。それならば、まだしばらく喫煙を続けてもよいと思います。今、無理に禁煙しようとしても失敗するだけですので時機を待ちましょう。

喫煙を続けることで健康を損なうリスクは当然ありますが、体調管理や生活習慣がしっかりしていれば、非喫煙者と比べて極端に不健康になることはないと思います。

ただし、これからの時代は喫煙できない場所、場面が今まで以上に多くなります。

喫煙を続けていくにしても、喫煙欲求をコントロールする方法を見つけておかなければなりません。

ページトップに戻る