一説には、「禁煙後は男性機能が回復して性欲が増し、ED・勃起障害が治る」と言われていますが、それは果たして本当でしょうか。
禁煙すればEDが改善するという説の検証
話を簡単に済ませるなら、実証データがあれば十分です。臨床実験などで、喫煙状態から禁煙状態になったときに性欲やぺニスの勃起力に有意な差が認められたのであれば、「禁煙でEDが改善する」という説が有力なものとなります。
臨床データはあるのか
喫煙者は非喫煙者に比べてEDになりやすいという臨床データは散見されますが、私が調べた限りでは、喫煙者が禁煙をしたことでEDが改善されたという実験自体がありませんでした。喫煙とEDの間に相関関係はあるようなので、禁煙すれば改善に向かうと考えてもよさそうですが、やはり実証データによる裏付けがなければ、「禁煙でEDが改善する」と結論づけることはできません。
しかしながら、禁煙によってEDが改善する可能性を考察したり、検証したりすることは無駄ではないだろうと思います。
禁煙によるED改善の可能性を考察
現在喫煙をしていて、勃起障害に悩んでいる人にとっては、喫煙が少なくない悪影響を与えているであろうということは推測できます。そのことから直ちに、「禁煙すればEDが改善する」とは言えませんが、改善の可能性に期待を持つことはできると思います。勃起障害はぺニスの海綿体への血流不足が主な原因です。喫煙は血管を収縮させ、血流不足をさらに促してしまうので、タバコを吸わないほうが勃起機能の邪魔をしないと言えます。
禁煙を開始してから数週間は、精神的にも身体的にも不調になることがあるので、この時期の男性機能は最悪かもしれませんが、禁煙が成功したあとの復調状態なら、喫煙していたときよりも精力的になれる可能性は高いです。
ですが、やはり「禁煙すればEDが良くなる」という結論を導くことはできません。せいぜい「EDの原因のひとつが取り除かれた」と言う程度のものではないでしょうか。
EDは喫煙だけが原因ではない
喫煙「だけ」が原因でEDになってしまった人というのは、おそらく皆無でしょう。
EDは、男性機能の衰えだけでなく、体力的な面や精神的な面での影響も複合して起こります。喫煙がさらに拍車をかけることがあっても、EDの主要な要因ではありませんので、禁煙すればすべての悪影響がなくなるわけではありません。
よって、EDを改善したければ、禁煙をするのはもちろんのこと、その他の勃起障害の原因となるものをひとつひとつ取り除いていく必要があるのです。
EDを改善する方法と治療薬
EDを改善するには、まず若くて健康な体を取り戻すことです。生活習慣を改善して、適度な運動や健康的な食事を心がけましょう。
禁煙をするのは、若返りの絶好の機会です。タバコをやめれば息切れや息苦しさから解放され、体を動かしやすくなるので運動を始めやすいときです。禁煙のストレスを発散するのにも、運動は最適ですね。急に負荷の大きい運動はケガをするので、少しずつ体を慣らしながら運動を続けてください。
食事も美味しく感じるようになるので、ついつい食べ過ぎてしまいがちですが、それを逆手にとって肉や魚などタンパク質の多い食事にしてみましょう。もちろん栄養バランスが大きく崩れないように注意してください。
運動と食事の相乗効果で、禁煙を始める前よりも筋肉質になり、体力がついてきたことを実感するときが来るはずです。
それでEDが改善すれば万事解決ですが、そんなに簡単にはいかないことのほうが多いかもしれません。禁煙できていて、体力面でも不安がないのにEDが改善されないのであれば、ED治療薬の服用を考えてみてもいいかもしれません。薬は少し不安があるという方はサプリメントでもよいと思います。
「薬とかサプリとかお金かかるじゃん」と思われた方、禁煙が成功すればそこから先はタバコ代がまるまる浮きますよね。浮いたタバコ代でEDの改善がかなうなら、これほど素晴らしいお金の使い方はありません。
もしも、EDや勃起障害でパートナーに申し訳ない気持ちをお持ちでしたら、禁煙を機会に自分の体のケアにもチャレンジしてみませんか？
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