吸いたい気持ちをコントロールするには?
禁煙を始めると離脱症状に悩まされますが、禁煙補助薬などを利用してうまく抑えることはできます。とはいえ、離脱症状を乗り切ってからも、タバコを吸いたいという欲求はなかなか消えることはないでしょう。
意思の強さだけでこの欲求を克服するのは困難ですので、喫煙衝動をコントロールするメソッドを取り入れることをおすすめします。
吸いたくなる原因
もちろん、ニコチンの禁断症状としてタバコを吸いたいという感情が沸き起こることもありますが、吸いたくなる原因のほとんどは今までの喫煙習慣の名残です。食後に吸う、一仕事終えて一服、など、自分の行動を省みると、喫煙とセットになっているものに心当たりがたくさんあることでしょう。
このことを理解した上で対策を立てましょう。
行動パターンを変える
喫煙とセットになっていた行動パターンを変えたり、可能ならやめることで、過去の喫煙習慣から起こる吸いたい気持ちを遮断します。例えば、「洗顔→歯磨き→朝食→一服」のような行動パターンであったのなら、「洗顔→朝食→歯磨き」のように行動順序を変えてしまうのです。
コーヒーやお酒を飲んだあとタバコを吸う習慣があった人は、思いきってコーヒーやお酒を飲むことをやめましょう。やめられない場合は後述する「代替行動」をとって吸いたくなる気持ちを紛らわせましょう。
食習慣と喫煙がセットになっていなかったか反省してみましょう。油ものを食べた後や食べ過ぎの後にタバコを吸っていた人は、食事内容を改善しましょう。食後のコーヒーを緑茶や紅茶などに変えるのも有効です。
ストレス解消にタバコを吸っていた人は、過労や寝不足などに気をつけましょう。仕事の都合上、状況をよくすることが難しい場合は、運動をするなどして別のストレス解消法を見つけましょう。
環境を変える
喫煙できない環境に身を置くことで、吸いたくても吸えないようにし、吸いたい気持ちを我慢することに体を慣れさせます。また、喫煙できない環境にいれば吸いたくなる気持ちそのものが起こりにくくなります。生活範囲から喫煙具を排除します。タバコはもちろん、ライター、灰皿などはすべて処分してください。
喫茶店や飲み屋、パチンコ店のような喫煙可能な場所に行くことをやめましょう。周りに吸っている人がいると吸いたくなってしまいます。喫煙室や喫煙所などにも近づかないようにします。タバコの煙やにおいだけでなく、誰かが吸っている姿を見るだけでも吸いたい気持ちが起こってしまいます。
禁煙を自分の身近な人に宣言するのもよい方法です。周囲に禁煙を知らせることで、自分を律する気持ちがより強くなります。
代替行動をする
生活行動の区切りや、ストレスを解消したいときに喫煙をしていた人は、タバコを吸う以外の別のことをやってみましょう。イライラや緊張などで落ち着かないときは、人体の機能から言えば深呼吸をするのが心や体を落ち着かせるのに最も効果的です。大きくゆっくりと2~3回深呼吸をしましょう。
水やお茶を飲むのも効果的ですし、歩いたり肩を回したり、簡単な体操をしたりして、軽い運動をするのもストレス解消に役立ちます。
脳に集まった血液を、体の他の場所に分散させることで落ち着きを取り戻すことができます。飲食や運動でストレス解消をすることは理にかなっているのです。
ストレス解消はタバコでしかできないという思い込みをなくしましょう。
手持ちぶさたのときや口さみしいときにタバコを吸っていた人はとても多いと思います。
最近はスマホがあるので手持ちぶさたを解消しやすいとは思います。文庫本を持ち歩いたり、ストレッチをしてみたり、身の回りの整理をしたり、スキマ時間を埋めるノウハウを持っていることは、生きていく上で大切なことです。毎日発生する人生のロスタイムを、タバコを吸うだけで消費してしまうのはもったいないことですね。
口さみしいときには、ガムや飴、ソフトキャンデーなど、口の中に入れて味を楽しめるものがいくらでもあります。
ひとつふたつ口に入れたところで吸いたい気持ちが解消されないという人は、解消されるまで口に入れ続けるのもアリだと思います。
タバコを吸う代わりに一日中ガムをかみ続けることを約1か月やり通して、見事禁煙に成功した人もいます。
禁煙ガムは喫煙欲求を抑えてくれます
ニコチンガム・二コレットガム・ハビトロールガム~使用方法と種類~
ただし、大量にガムや飴を食べると、お腹がゆるくなったり、糖分をとりすぎたり、虫歯を引き起こしたりしますので注意しましょう。特にガムは、かみ続けているとアゴも痛くなりますから、飴とガムを交互に食べるなどの工夫をしたほうがいいですね。
禁煙ロゼンジはトローチのように舐めるだけ
ニコチンロゼンジ・ニコレットロゼンジ・ハビトロールロゼンジ
歯磨きやうがい・マウスウォッシュで口の中をスッキリさせれば、口さみしさもなくなる上に虫歯予防や口臭予防もできて一石二鳥です。
音楽を聴く、もしくは歌を歌うとか、吸いたい気持ちを何分抑えられるか時計を見ながら時間を計ってみるとか、アイディアしだいでいくらでも克服する方法は出てくるでしょう。
禁煙をするか制煙をするか-今後、自由に喫煙できなくなるシーンが増えることを考えると、必ずどちらかの選択をしなければなりません。
禁煙を始めたいなら禁煙外来がベストです
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